すべり症について

すべり症による腰痛・臀部痛や下肢痛そして長い距離を歩くことにお悩みのあなたへ

腰の痛みお尻・もも・ふくらはぎ・すね・足の痛み、しびれなどの症状がある。

足のうらの感覚が鈍く感じたり、丸い砂利の上を歩いているような感じがしたりすることがある。

子供の頃に腰の疲労骨折である分離症と医者から言われたことがある。

長く歩くとお尻や脚に痛みやシビレが出て少し休憩すると歩けるが、何度も繰り返すようになる。    

腰を丸めて椅子や車のシートに座るのが癖でいつの間にか猫背姿勢や前かがみ姿勢になっている。

病院のリハビリや整骨院のマッサージでも良くならず、薬が手放せない

  

すべり症は腰痛に加えてお尻と太もも、ふくらはぎのシビレが出て、歩くとすぐに下肢が重くなり何度も休まないと歩けない、足に力が入りにくいなど日常生活に支障を感じることがあり、体力的にも辛く精神的にもストレスにつながる場合もあります。

整形外科でもらう痛み止めの薬やリハビリ、整骨院やマッサージでも思うような改善効果が進まないこともあり、一時的に症状が和らいだと思っても、しばらくしてから再び不調を感じる場合もあります。

すべり症の原因について

すべり症は、一般的には椎骨(背骨の一つ一つの骨)が前または後にズレてしまい、背骨の中の空洞を通る神経に圧力が加わることで腰の痛みやシビレなどの症状が現れることがある病気です。

脊椎すべり症には椎骨(背骨の一つ一つの骨)が折れて分離した「分離すべり症」と、折れてはいないもの「変性すべり症」があります。

分離すべり症は椎間関節(上下の椎骨をつなぐ関節)に負担がかかって分離し脊椎の安定性が低下する状態で、学生など成長期では背骨の腰の部分を繰り返し反らすようなスポーツ動作(水泳のバタフライなど)で発症することがあります。

一方、壮年期以降では、椎間板が関節の変性(形や性質が変わる)によって骨がズレやすくなり腰部への負担が増す場合があります。

すべり症は下の骨より上の骨が前に移動する「前方すべり」と、逆に後ろに移動してしまう「後方すべり」が存在します。

また、椎間板の変性(形や性質が変わる)に関係するすべり症では、腰部脊柱管狭窄症を併発することもあります。

主な症状としては、腰痛や下肢のシビレがあり、症状が進むと足の力が入りにくくなったりすることもあります。

変性すべり症は第4・第5腰椎(背骨の腰の部分)に多くみられ、坐骨神経痛など脊柱管狭窄症と似た症状を伴うことがあります。

スマホやパソコンを多用し前かがみ姿勢が続いたり運動不足のため知らず知らずのうちに体幹筋(体の胴体部分に筋肉)が衰えて猫背や前かがみ姿勢がクセになりやすくなります。

猫背や前かがみ姿勢になると腰椎(背骨の腰の部分)に負担がかかり腰椎を正しい位置に保っていた椎間板や靭帯がゆるんで、腰の筋肉や靭帯に過度な負担がかかる状態になることがあります。その結果、すべり台をすべるように腰椎が前方に移動して「すべり症」を発症しやすくなる場合があります。

つまり生活習慣からくる姿勢のゆがみや筋力低下から腰への負担を増やす一因となることがあります。

これは、なかなか知られていないことですが、研究によっては画像上で腰椎にすべりが確認されても腰痛を感じていない人が少なくないことが報告されています。

【参考資料】Systematic Literature Review of Imaging Features of Spinal Degeneration in Asymptomatic Populations

すべり症による腰痛と診断される場合は、レントゲンやMRI検査を行なったら腰椎がすべっていることが確認され、痛みの症状があることから関連づけて判断されることが一般的です。

つまり、画像から腰椎がスベっていることが明らかであっても、それは「スベっている」という構造上の変化を示しているに過ぎず、必ずしも腰痛の直接的な原因とは限らないということです。

ですので、画像の情報だけでなく、実際にどういう姿勢や動作で痛みが出るのか、逆に軽減するのか、といった情報を詳しく確認することが、より適切な判断や改善の糸口につながります。

腰にかかる負担を改善し、すべり症に悩まない身体造りへ

スベっている事実は変わらなくても痛みが軽減・改善する場合もあります。

スベっている画像を見て元の形に戻したい、そうしないともっと大変な症状が出ると思ってしまうのも無理はありません。

形を完全に戻すとなると手術で戻すことはできますが、戻しても再びスベりが起きたり、また手術をした部位の上下に負担がかかり痛みが出るケースも報告されています。

痛みやシビレの原因がスベリそのものではない場合もあり、手術を行ってスベリは元に戻ったとしても症状の改善が十分に得られないこともあります。

ですので、なるべく体を傷つけず本当の痛みの出所を確かめて、しっかりと症状に合った施術法・エクササイズを続け、姿勢を改善する意識を持つことが大切だと考えます。

そして、すべっていても形にこだわらず、痛みは軽減が見込めることを理解するだけでも気持ちが楽になるのではないでしょうか。

具体的には、すべり症の方は背中を丸めた姿勢が癖になっていることが多いのです。こういった場合は、なるべく自然なS字カーブに近ずくように意識して姿勢を保つことが肝心です。

こういった場合、背中が丸い部分の癖を修正し背骨や筋肉、筋膜などの柔軟性を高めていくことが大切です。

また、仙腸関節まわりの動きを整えるような施術を行っていき、腰の状態に合ったすべり症に有効とされる体操を取り入れながら下肢の痛みやシビレを改善に導きます。

さらに、前かがみや猫背の癖を整えるために、普段からの姿勢や歩き方を意識し、自分で姿勢をコントロール出来るようにすることが大切です。

筋肉の柔らかさや姿勢が改善され、腰にかかる負担も軽くなったと感じる方もいらっしゃいます。「足の痛みとしびれがかなり軽くなった」「散歩も長くできるようになってきた」といった声もいただいております。

すべり症でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。