デスクワークと骨盤

デスクワークでは、長時間座っているうちに骨盤が後ろへ倒れたり、片側のお尻へ体重が偏ったりすることがあります。ただし、座っていること自体が悪いわけではありません。ここでは、デスクワーク中の骨盤や座り方についてよくある疑問にお答えします。

デスクワークを長く続けると、骨盤はゆがむのですか?

長く座っているだけで、骨盤そのものが大きくずれてしまうわけではありません。

問題になりやすいのは、毎日同じ座り方を長時間続けることです。骨盤を後ろへ倒して背中を丸める、片側のお尻へ体重をかけるなどの姿勢が続けば、左右や前後で筋肉の使われ方に偏りが出てきます。

そのため、デスクワークでは骨盤がゆがむかどうかだけでなく、いつも同じ方向へ傾いた姿勢になっていないか、座った後に身体が動かしにくくなっていないかを見ることが大切です。

座っていると、だんだん骨盤が後ろへ倒れてしまうのはなぜですか?

長く座っているうちに身体を支える筋肉が疲れ、楽な姿勢へ崩れていくためです。

骨盤が後ろへ倒れると、背中を丸めて背もたれなどに身体を預けやすくなるため、一時的には楽に感じます。特に座面が低い、深く沈む、机に対して椅子が遠いといった環境では、この座り方になりやすくなります。

最初は良い姿勢で座れていても、時間がたつと毎回同じように崩れるのであれば、本人の意識だけでなく椅子や机との位置関係も見直した方がよいでしょう。

座っていると、いつも片方のお尻に体重をかけてしまうのはなぜですか?

その座り方が、今の身体にとって楽になっていることが考えられます。

例えば左右の股関節の動きに差があったり、腰やお尻の片側が張っていたりすると、真ん中に座るより一方へ体重を逃がした方が楽に感じることがあります。

そのため、片側へ座る癖だけを無理に直しても、すぐ元に戻ることがあります。いつも同じ側へ体重をかけたくなる場合は、座り方だけでなく股関節や腰、骨盤周辺の左右の動きも確認することが大切です。

脚を組んで座ると、骨盤がゆがみますか?

脚を組んだだけで、すぐに骨盤がゆがむわけではありません。

ただし、毎回同じ脚を上にして長時間座っていると、骨盤や股関節の位置が左右で違う状態が続きます。

脚を組むこと自体を禁止する必要はありませんが、いつも同じ側しか組めない、反対側では組みにくいという場合は、単なる癖ではなく股関節の動きに左右差があることも考えられます。脚を組むことより、なぜいつも同じ組み方になるのかを見ることが大切です。

椅子には深く座った方がよいですか?

基本的には、お尻が前へ滑って骨盤が大きく後ろへ倒れない位置で座る方が、身体を支えやすくなります。

浅く腰かけて背もたれへ身体を預けると、お尻が前へ滑り、骨盤が後ろへ倒れて背中も丸くなりやすくなります。

ただし、深く座れば必ず良い姿勢になるわけではありません。深く沈む椅子では、奥まで座っても骨盤が後ろへ倒れることがあります。座る深さだけでなく、座面の高さや硬さも関係します。

背もたれを使わず、ずっと背筋を伸ばして座った方がよいですか?

ずっと背筋を伸ばし続ける必要はありません。

背筋を伸ばしていても、同じ姿勢を長時間続ければ腰や骨盤周辺の筋肉は疲れます。また、良い姿勢を意識しすぎて腰を反らせ続ければ、かえって腰へ負担がかかることもあります。

背もたれを使うこと自体が悪いのではなく、一つの姿勢に固定し続けないことが大切です。背もたれを使う、少し座る位置を変える、ときどき立つなど、仕事中にも姿勢を変える方が負担を分散できます。

デスクワーク用の椅子は、高さをどのくらいにすればよいですか?

高さだけを何cmと決めるのではなく、座ったときに足が無理なく床につき、身体が前や後ろへ崩れにくい高さが基本です。

椅子が高すぎて足が浮くと、身体を安定させにくくなります。反対に低すぎると膝が高くなり、骨盤が後ろへ倒れて背中が丸くなりやすくなります。

机やパソコンの位置も関係するため、椅子だけを調整するのではなく、足元・座面・机・画面まで含めて、無理なく座れる位置に合わせることが大切です。

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