仙腸関節性腰痛

仙腸関節性腰痛とはどのような腰痛ですか?

骨盤の中央にある仙骨と、その左右にある腸骨をつなぐ「仙腸関節」の周囲に負担がかかって起こる腰痛です。

仙腸関節は大きく動く関節ではありませんが、立つ・歩くなどの動作で身体を支える重要な部分です。このわずかな動きが悪くなったり不安定になったりすると、周囲の靱帯や筋肉に負担がかかり、腰やお尻の奥に痛みが出ることがあります。

腰痛なのに、お尻の奥が痛くなるのはなぜですか?

仙腸関節が、腰より少し下の骨盤の後ろ側にあるためです。

そのため、仙腸関節周囲に痛みが出ると「腰が痛い」と感じる方もいれば、「お尻の上のほうが痛い」「骨盤の奥が痛い」と感じる方もいます。

痛む場所を押してみると、腰の中央ではなく、骨盤の片側に強く痛む場所が見つかることもあります。

椅子から立ち上がる瞬間や歩き始めに痛むのはなぜですか?

止まっている状態から動き始める瞬間に、仙腸関節へ急に力がかかるためです。

座っている間は骨盤が動いていませんが、立ち上がると仙骨と左右の骨盤の間でわずかな動きが起こります。この動きがうまく噛み合っていないと、周囲の靱帯などが引っ張られ、最初の一歩や立ち上がる瞬間にズキッと痛むことがあります。

仙腸関節性腰痛は、片側だけに痛みが出ることもありますか?

はい。左右どちらか一方だけに痛みが出ることがあります。

仙腸関節は骨盤の左右に一つずつあり、立ち方や歩き方、片脚に体重をかける癖などによって、左右にかかる負担が同じとは限りません。そのため、一方の仙腸関節や周囲の靱帯などに負担が集中すると、右または左のお尻の上あたりに痛みが出ることがあります。

もちろん、両側に痛みが出る場合もあります。

仙腸関節は、動きが悪くても動きすぎても痛くなるのですか?

はい。仙腸関節は動きが悪くなった場合だけでなく、反対に不安定になった場合にも痛みにつながることがあります。

本来はわずかに動く関節なので、動きが悪ければ身体を動かしたときに引っかかりや負担が生じます。反対に動きすぎると、周囲の靱帯や筋肉が骨盤を支え続けなければならず、重だるさや痛みが出ることがあります。

レントゲンやMRIで異常なしと言われても、仙腸関節が痛みに関係することはありますか?

あります。仙腸関節のわずかな動きの悪さや、周囲の靱帯への負担は、画像だけでは分からないことがあります。

そのため、画像で大きな異常がなくても、立ち上がる、片脚に体重をかける、身体をひねるなど、実際の動作でどこに痛みが出るのかを確認することが大切です。

仙腸関節性腰痛ではどのような施術をするのですか?

仙腸関節を強く動かすのではなく、仙骨と骨盤のわずかな動きや噛み合いを確認しながら施術します。

また、骨盤周囲の筋肉や筋膜が硬くなって関節を引っ張っている場合は、その動きも整えます。関節だけを見るのではなく、仙腸関節へ負担を集中させている部分まで確認して施術を組み立てます。

仙腸関節性腰痛は、骨盤が大きくずれているということですか?

いいえ。骨盤の骨が大きくずれているという意味ではありません。

仙腸関節はもともと動きの小さい関節なので、問題になるのは大きな骨のずれではなく、関節のわずかな噛み合いや動きの乱れです。

その小さな変化でも、周囲の靱帯に繰り返し負担がかかれば、立ち上がりや歩き始めなどで痛みを感じることがあります。

目次